神社と山の位置:関西中部編
== 鹿島神宮~富士山レイラインからの考察・その49==ご訪問ありがとうございます。
一連の鹿島・富士レイラインの考察の第49回目です。
以前のブログで関東周辺の神社と火山の位置関係についてご紹介しましたが、今回はその続編ということで関西地方と中部地方について調べてみました。
神社は前回と同様に社格の高いものを中心に選んでいますが、京都中心部の神社(符号135~146)はあまりに過密なので検討対象外としました。
関西・中部地方には火山はほとんどないので、その代わりに霊山や信仰の山と言われる山を選びました。
結果は上図のとおりです。
関東周辺も驚きましたが関西方面はもっと凄いかもしれませんね。複雑でありながらも整然と並んでいるようで、幾何学的美しさをも感じてしまいます。
私は関東の住人ですが、今回の調査で関西の偉大さと奥深さを認識させられた気がします。
いくつか気になった点を。
・選定したほとんどすべての神社が線で他の神社と結ばれており、しかも多くは2以上の神社とつながっています。
・最も格式が高いのは志摩半島の伊勢神宮内宮124と外宮125ですが、これらに呼応するように対岸の渥美半島の根元の菟足神社105と安久美神戸神明社106が冬至日の入りラインで結ばれていました。
・紀伊半島の南端の潮岬を通る経度線上には若狭彦神社上社114、若狭姫神社下社115、斉明天皇陵A02、熊野本宮大社172、明治天皇陵A01などの目立つ施設があります。日本建国の地の橿原神宮160、平城京、平安京、藤原宮などもほぼこのライン上です。
斉明天皇陵A02は若狭彦神社上社114と潮岬のほぼ中間に位置します。
・明治天皇陵A01を通る経度線には伊勢神宮外宮125と伊弉諾神宮187があります。斉明天皇陵A02はこのほぼ中間に位置しており、ここがヘソの位置のようにも見えます。
・香川県ひがしかがわ市には極めて小規模のようですが「伊勢神宮」(190)という名称の神社がありました。規模は小さくてもその名前は無視できずにピックアップしました。
明治天皇陵A01および伊弉諾神宮187からみて立冬日の入り方向にあります。
・南紀白浜空港A03は気になる位置にあるのでとり上げました。
・若狭彦神社上社114と若狭姫神社下社115、金崎宮116と氣比神宮117、皇大神社148と豊受大神社149のように姉妹神社ともいうべき隣接する一対の神社はラインの中継ポイントのようにも見えます。
054:久津八幡宮(くづはちまんぐう、岐阜県、飛騨国二之宮)
066:砥鹿神社(とがじんじゃ、愛知県、三河国一之宮)
067:井伊谷宮(いいのやぐう、静岡県、官幣中社)
068:熱田神宮(あつたじんぐう、愛知県、官弊大社/三種の神器の1つ、草薙剣を祀る)
069:大県神社(おおあがたじんじゃ、愛知県、国弊中社)
101:真清田神社(ますみだじんじゃ、愛知県、尾張国一之宮)
102:尾張大国霊神社(おわりおおくにたまじんじゃ、愛知県、国弊小社)
103:津島神社(つしまじんじゃ、愛知県、国弊小社)
104:猿投神社(さなげじんじゃ、愛知県、三河国三之宮)
105:菟足神社(うたりじんじゃ、愛知県、県社)
106:安久美神戸神明社(あくみかんべしんめいしゃ、愛知県、県社)
107:知立神社(ちりゅうじんじゃ、愛知県、県社)
108:龍城神社(たつきじんじゃ、愛知県、県社)
109:伊賀八幡宮(いがはちまんぐう、愛知県、県社)
110:寺津八幡社(てらづはちまんしゃ、愛知県、県社)
111:神前神社(かみさき じんじゃ、愛知県、県社)
112:伊奈波神社(いなばじんじゃ、岐阜県、国弊小社)
113:南宮大社(なんぐうたいしゃ、岐阜県、美濃国一之宮)
114:若狭彦神社上社(わかさひこじんじゃかみしゃ、福井県、若狭国一之宮)
115:若狭姫神社下社(わかさひめじんじゃしもしゃ、福井県、若狭国一之宮)
116:金崎宮(かねがさきぐう、福井県、官弊中社)
117:氣比神宮(けひじんぐう、福井県、越前国一之宮)
118:剣神社(つるぎじんじゃ、福井県、越前国二之宮、国弊小社)
119:大虫神社(おおむしじんじゃ、福井県、県社)
120:多度大社(たどたいしゃ、三重県、国弊大社)
121:椿大神社(つばきおおかみやしろ、三重県、伊勢国一之宮/猿田彦神社とともに猿田神社本社)
122:都波岐奈加等神社(つばきじんじゃ、三重県、伊勢国一之宮)
123:敢國神社(あえくにじんじゃ、三重県、伊賀国一之宮)
124:伊勢神宮内宮(いせじんぐうないくう、三重県、最高格の神社)
125:伊勢神宮外宮(いせじんぐうげくう、三重県、最高格の神社)
126:猿田彦神社(さるたひこじんじゃ、三重県、別表社/椿大神社とともに猿田神社本社)
127:伊雑宮(いざわのみや、三重県、志摩国一之宮)
128:伊射波神社(いざわじんじゃ、三重県、志摩国一之宮)
129:花窟神社(はなのいわやじんじゃ、三重県、神話ゆかりの地/最古神社とも言われる)
130:多賀大社(たがたいしゃ、滋賀県、官弊大社)
131:近江神宮(おうみじんぐう、滋賀県、官弊大社)
132:日吉大社(ひよしたいしゃ、滋賀県、官弊大社/日吉・日枝・山王神社の総本社)
133:建部大社(たけべたいしゃ、滋賀県、近江国一之宮)
134:御上神社(みかみじんじゃ、滋賀県、官弊中社)
135:梅宮大社(うめのみやたいしゃ、京都府、官弊中社)
136:北野天満宮(きたのてんまんぐう、京都府、官弊中社/大宰府とともに天満宮総本社)
137:白峯神宮(しらみねじんぐう、京都府、官弊大社)
138:平野神社(ひらのじんじゃ、京都府、官弊大社)
139:茂別雷神社・上賀茂神社(かもわけいかづちじんじゃ・かみがもじんじゃ、京都府、山城国一之宮)
140:平安神宮(へいあんじんぐう、京都府、官弊大社)
141:吉田神社(よしだじんじゃ、京都府、官弊中社)
142:賀茂御祖神社・下鴨神社(かもみおやじんじゃ・しもがもじんじゃ、京都府、山城国一之宮)
143:大原野神社(おおはらのじんじゃ、京都府、官弊中社)
144:松尾大社(まつのおたいしゃ、京都府、官弊大社)
145:八坂神社(やさかじんじゃ、京都府、官弊大社/八坂神社の総本社)
146:伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ、京都府、官弊大社/秦氏の総氏神で/稲荷神社の総本社)
147:籠神社(このじんじゃ、京都府、丹後国一之宮/元伊勢)
148:皇大神社(こうたいじんじゃ、京都府、府社/元伊勢)
149:豊受大神社(とゆけだいじんじゃ、京都府、府社/元伊勢)
150:貴船神社(きふねじんじゃ、京都府、官弊中社/絵馬発祥/貴船神社の総本社)
151:出雲大神宮(いずもだいじんぐう、京都府、丹波国一之宮)
152:石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう、京都府、官弊大社/中世二所宗廟の1つ)
153:水無瀬神宮(みなせじんぐう、大阪府、官弊大社)
154:枚岡神社(ひらおかじんじゃ、大阪府、河内国一之宮)
155:坐摩神社(いかすりじんじゃ、大阪府、摂津国一之宮)
156:生国魂神社(いくくにたまじんじゃ、大阪府、官弊大社)
157:住吉大社(すみよしたいしゃ、大阪府、摂津国一之宮/住吉神社の総本社)
158:大鳥大社(おおとりたいしゃ、大阪府、和泉国一之宮)
159:龍田大社(たつたたいしゃ、奈良県、官弊大社)
160:橿原神宮(かしはらじんぐう、奈良県、官弊大社/日本建国の地)
161:廣瀬大社(ひろせたいしゃ、奈良県、官弊大社)
162:大神神社(おおみわじんじゃ、奈良県、大和国一之宮/三輪氏の総氏神/最古神社とも言われる)
163:石上神宮(いそのかみじんぐう、奈良県、官弊大社/物部氏の総氏神)
164:大和神社(おおやまとじんじゃ、奈良県、官弊大社)
165:春日大社(かすがたいしゃ、奈良県、官弊大社/藤原氏の総氏神)
166:丹生川上神社上社(にうかわかみじんじゃかみしゃ、奈良県、官弊大社)
167:丹生川上神社下社(にうかわかみじんじゃしもしゃ、奈良県、官弊大社)
168:吉野神宮(よしのじんぐう、奈良県、官弊大社)
169:葛城一言主神社(かつらぎひとことぬしじんじゃ、奈良県、県社/葛城氏の総氏神/神話ゆかりの地)
170:丹生都比売神社(にふつひめじんじゃ、和歌山県、紀伊国一之宮)
171:熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ、和歌山県、官弊大社)
172:熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ、和歌山県、官弊大社/熊野神社の総本山)
173:熊野那智大社(くまのなちたいしゃ、和歌山県、官弊中社)
174:竈山神社(かまやまじんじゃ、和歌山県、官弊大社)
175:日前神宮・國懸神宮(ひのくまじんぐう・くにかかすじんぐう、和歌山県、紀伊国一之宮)
176:伊太祁曽神社(いたきそじんじゃ、和歌山県、紀伊国一之宮)
177:出石神社(いずしじんじゃ、兵庫県、但馬国一之宮)
178:粟鹿神社(あわがじんじゃ、兵庫県、但馬国二之宮)
179:養父神社(やぶじんじゃ、兵庫県、但馬国三宮)
180:伊和神社(いわじんじゃ、兵庫県、播磨国一之宮)
181:荒田神社(あらたじんじゃ、兵庫県、播磨国二之宮)
182:住吉神社(すみよしじんじゃ、兵庫県、播磨国三之宮)
183:廣田神社(ひろたじんじゃ、兵庫県、官弊大社)
184:生田神社(いくたじんじゃ、兵庫県、官弊中社)
185:長田神社(ながたじんじゃ、兵庫県、官弊中社)
186:海神社(わたつみじんじゃ、兵庫県、官弊中社)
187:伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう、兵庫県、淡路国一之宮/イザナギの墓所/最古神社とも言われる)
188:大和大国魂神社(やまとおおくにたまじんじゃ、兵庫県、淡路国二之宮 )
189:伊勢久留麻神社(いせくるまじんじゃ、兵庫県、淡路国三之宮 )
190:伊勢神宮(いせじんぐう、香川県)
V24:御嶽山(3067m、長野県/岐阜県、御嶽神社)
V41:恵那山(1895m、奈良県、恵那山神社)
V42:能郷白山(1617m、福井県、白山神社)
V43:伊吹山(1377m、滋賀県、伊吹神社)
V44:御在所岳(1210m、三重県、山岳寺)
V45:葛城山(959m、奈良県、葛城神社)
V46:大峰山(1719m、奈良県、大峰山上権現)
V47:大普賢岳(1915m、奈良県、大峰奥駆道)
V48:弥山(1895m、奈良県、弥山神社)
V49:釈迦ヶ岳(1800m、奈良県、釈迦如来像)
A01:明治天皇陵・伏見城(京都府)
A02:斉明天皇陵(奈良県)
A03:南紀白浜空港(和歌山県)
お断り
・石川県地方は有意なラインが少なく、長い半島を図面に組み入れる困難もあって省略させてもらいました。静岡県、長野県、富山県については以前のブログを参照してください。
・立冬の日の出・日の入り、冬至の日の出・日の入りについての調査をしましたが、今回は立夏および夏至については調査を省略しました。
・検証はドラフト用の紙地図上で行ってます。最初に基準線を設定して、定規を平行移動させて交点の有無を調べます。実際には日の出、日の入り方向は緯度によって平行でなく僅かにずれますので、誤差が発生しうることをご理解ください。(従来図も同様)
・また、地球は三次元球体ですので二次元地図上における日の出、日の入り方向は、実際には直線ではなくて曲線になります。しがたってラインが長くなるに従って僅かに誤差が発生します。(従来図も同様)
・さらに、できるだけ正確な作業を心がけていますが、定規の扱いや、紙上およびパソコン上での製図技量によっても誤差が含まれ得ます。(従来図も同様)