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火山を鎮める神社の方角

火山を鎮める神社の方角
== 鹿島神宮~富士山レイラインからの考察・その36==

ご訪問ありがとうございます。
一連の鹿島・富士レイラインの考察の第36回目≪火山3≫です。
火山灰;富士山予測マップ

鹿島神宮は富士山を、戸隠神社は立山を、諏訪大社は御嶽山を、東照宮は浅間山をそれぞれ鎮める目的を持っているのではないかという見解をご紹介しました。これらの神社は対象とする火山を立冬の日の入り方向に見る位置に設けられています。この事実は地図から明らかで理解していただけると思いますが、「でもなぜ立冬の日の入り方向なの? 真南とかじゃいけないの?」と突っ込まれそうですね。これは難しい、解らんです。
元々の話の発端となった岩戸隠れ伝説に関係していると推測しますが、防火対策として風水とかそういう考え方が織り込まれているのかもしれませんね。私は風水は分かりませんが。
上図(政府公表のハザードマップより)のようにひとつ思い当たるのは、(富士山の)火山灰は偏西風によって東側に向かって流されて堆積するであろうことから、神社(この場合は鹿島神宮)はそれを守るかのような位置に設けられているということです。そうするとこれらの神社が鎮めようとする対象の火山からかなり離れた位置にあることも納得できそうです。
上図の火山灰堆積予測を見るとこれは大変なことで、暗たんたる気持ちになります。


東日本大震災では大津波によって海岸付近に甚大な被害が発生しましたが、古くからある数多くの神社はちょうど津波到達地点に分布していて浸水することがなかったと言います。古代の人は何度も津波を経験していて、被害のない場所に神社を建てていたのですね。古来、神社というのは地域コミュニティーの中心的役割も持っていたでしょうから、大地震のときには避難所としても機能して人びとを津波から守っていたのかもしれません。
鹿島神宮の位置も富士山の火山灰の被害が及ばないという範囲を暗示しているのかもしれません。
って、鹿島神宮より東は太平洋しかないんだけど…



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火山を鎮める戸隠神社、諏訪大社、日光東照宮

火山を鎮める戸隠神社、諏訪大社、日光東照宮
== 鹿島神宮~富士山レイラインからの考察・その35==

ご訪問ありがとうございます。
一連の鹿島・富士レイラインの考察の第35回目≪火山2≫です。
火山:立山~戸隠神社

火山:御嶽山~諏訪大社

火山:浅間山~東照宮

〇立山と戸隠神社
前回は鹿島神宮が富士山の噴火を鎮める役割も担っているのではないか、という見方をご紹介しました。それならば、他にもそういった神社があっても不思議はないということで、まずは立山と戸隠神社です。
立山(富山県)は大汝山(3015m)、雄山(3003m)、富士ノ折立(2999m)の三峰からなる北アルプスを代表する山で日本三霊山の一つです。ただし、今回調べて知ったのですが立山自体の地質は溶岩などでなくて火山というわけではなく、そのすぐ西にある登山拠点の室堂が火口にあたるということで、よく立山と一緒に写真撮影される美しいミクリガ池こそが火口なのだそうです。1858年に土石流が発生し多数の死者がでています。
戸隠神社(長野県)はアマテラスの岩戸隠れ伝説にちなんだ有名な神社です。かなり広域に散在する奥社、中社、九頭竜社、宝光社、火之御子社の五社からなります。この中でも奥社と中社は代表的存在のようでして、最も規模が大きいのは中社です。そして、中社から見て立冬の日の入り方向にはちょうど室堂があります。立山というよりは火口の室堂に当たります。
また、中社の近くには火之御子社がありますが、この神社はその名称から推察できるように火防の神として尊崇されています。正に立山・室堂の火山を鎮める火防の役割を担っているのではないでしょうか。
立山と戸隠神社との距離は45kmです。間には鹿島槍ヶ岳(2889m)が存在し、残念ながら戸隠神社からは立山は見えないようです。

火山:立山・富士山~戸隠神社・鹿島神宮
以前ご紹介したように戸隠神社奥社からみて鹿島神宮は立冬の日の出方向とほぼ一致しますので、まとめて図示すると上図のようにスケールの大きな線図が表れます。

〇御嶽山と諏訪大社
「御嶽山」という山はいくつかありますが、ここでは長野県のいわゆる木曽御嶽山を指します。
御嶽山(おんたけさん、3067m、長野県/岐阜県)は、火山としては富士山に次ぐ高さを誇る堂々たる独立峰で山岳信仰の山です。富士山、立山の二山と御嶽山か白山のいずれか一つを合わせて日本三霊山と呼ばれます。
長らく死火山だと思われていたのが1968年から噴気活動を始め、国内の死火山、休火山、活火山という定義そのものを見直すきっかけになったということです。意外にも近代というか現代の話であって、有史古代には噴火の記録がないのですね。
諏訪大社(長野県)は信濃国の一之宮で全国各地にある諏訪神社総本社であり、 国内にある最も古い神社の一つということです。
諏訪大社は正確には諏訪湖周辺4カ所にある神社の総称で、このうち諏訪大社下社春宮からみて立冬の日の入り方向にちょうど御嶽山があり、その距離は60kmです。

〇浅間山と日光東照宮
浅間山(2568m、長野県/群馬県)は世界でも有数の活火山で、1108年と1783年に大噴火をして被害が出ていますが、それ以外にも小規模噴火を繰り返しています。浅間山は今まで紹介した富士山、立山、御嶽山とは違い信仰対照とはなっていないようです。というか、危なくて昔から信仰登山とかできなかったと思います。浅間山は日本百名山に選定されていますが、現在でも火口周辺は立入禁止で手前の前掛山までしか行けません。
日光東照宮(世界遺産、栃木県)は1617年に徳川家康を祀って作られた神社でして、前記の鹿島神宮、戸隠神社、諏訪大社と較べるとずいぶん新しく、由緒という点ではやや劣りましょうか。
東照宮からみて立冬の日の入り方向には浅間山があり、その距離は100kmです。同じく火山の榛名山もほぼ同じ方向です。私は、家康を祀る東照宮がなぜ故郷の三河でもなく本拠地の江戸でもなく日光に設けられたのかと不思議に思っていたのですが、家康の霊力をもって浅間山を鎮めるという目的があったのかもしれません。家康の在世時(1543年~1616年)には浅間山の大噴火の記録はありませんが小規模噴火は何度もあったようです。
ただ、家康のことですからそのような公共的慈善的目的だけではなく、やはり政治的な目的もあったのだろうと思うのですが、それは継続課題としたいです。


この他にも探せばまだありそうな気がしますが、一方で日本三霊山のひとつにもあげられる白山(2702m、石川県/岐阜県)については立冬の日の入り方向に関係つけられる目立つ神社は見つかりませんでした。ちょうどこの方向で140km離れたところには有名な善光寺(長野県)が存在しているのですが、神社ではないですから。
ただ、白山信仰については全国に無数の白山神社が存在していますし、もちろん白山周辺にも多くあります。
阿蘇山(1592m、熊本県)については立冬日の入り方向に関しては目立つ神社は見つからなかったのですが、岩戸隠れ伝説の天岩戸神社や天孫降臨伝説の高千穂神社が近くにあって少し気になります。

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火山噴火を鎮める役目としての神社

火山噴火を鎮める役目としての神社
== 鹿島神宮~富士山レイラインからの考察・その34==

みなさんこんにちは。ご訪問ありがとうございます。
一連の鹿島・富士レイラインの考察の第34回目≪火山1≫です。
久しぶりのブログ更新です。
火山:富士山~鹿島神宮


〇今までの経緯・太陽信仰としての神道
当ブログにおける鹿島神宮~富士山レイラインの考察は、神道が自然崇拝宗教でその中でも特にアマテラスをトップとする太陽信仰の意味あいが強く、太陽が低くなる立冬から立春までの間に鹿島神宮で太陽を拝んでいたのではないかという推測からスタートしました。
詳しくはこちらをご覧ください。
そして、上図のとおり鹿島神宮からみて立冬・立春の日の入り方向にはちょうど世界遺産・富士山が存在していました。
農業を基盤とする古代の人びとにとっては、太陽が低く寒く暗くなってしまうことは深刻な死活問題であったのでしょう。だから、アマテラスの岩戸隠れ伝説とは冬季に太陽に祈り儀式を執り行ったことの抽象的な記録であったというのがアマチュアの私の考えであり、日食説には反対の立場です。

〇火山も日光を遮るので畏怖と信仰の対照になる
ところで、太陽が暗くなってしまい農業に大きなダメージを与える自然現象が他にもありますね。そう、よく知られているように火山の噴火があるとその火山灰が人の生活圏に積もるという直接的被害以外にも、灰が長期にわたって空中を舞って太陽の光を遮ると作物の生育が悪くなり深刻な飢饉の原因となります。
日本では多くの山も信仰対照となっているのは周知のとおりですが、その多くは火山であることに気づかされます。日本における有史で噴火のあった火山を標高の高い順に並べると以下のようになります。
1.富士山(3776m)
2.御嶽山(3067m)
3.白山(2702m)
4.立山(室堂山:約2630m)
(乗鞍岳(3026m)は有史時代の噴火記録がありません)
これらの山々は、正に日本の三霊山とか四霊山と呼ばれるているもので興味深いです。火山帯に住む日本人は古代から火山活動を恐れてきたのです。富士山をはじめとする火山は美しい独立峰が多いのですが、美しいだけではなくて恐ろしい山であることも忘れてはならないでしょう。
そのように考えると、富士山を祀る浅間神社とは別に鹿島神宮も富士の荒ぶる火山の神を鎮めるという意味合いを持っているのかもしれません。
「太陽」、「暗くなる」、「冬」、「火山灰」というキーワードから考えてみると、鹿島神宮からみて富士山がちょうど立冬の日の入り方向にあるというのは、富士山を鎮めるということになるように思えませんか?
そうだとすれば、他の火山についても同様の役割を担う神社が存在しそうです。次回はいくつかの火山と神社との関係を調べてみます。


先日、何年かぶりに富士登山をしてきました。登山自体はとてもきついでのですが、登頂すると迫力ある噴火口が登山者を迎えてくれ、圧巻です。私はそれなりに多くの山を登っていますが、富士の噴火口を見るとその迫力に圧倒されやはり日本一の山なのだと否応なく納得させられます。
富士山はちょうどきのうの9月14日に閉山したようで、この時期からもう冬に向かいます。

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