
【民族・文明は地震では滅びないが、カルデラ噴火で滅びた例は多い】
今朝、阿蘇山が噴火しました。
4月14日の熊本地震直後に噴煙300mの小規模噴火を起こしていましたが、それ以来の噴火で今回の噴煙1万m規模は非常に珍しいということです。
熊本地震は日本を東西に走る大活断層の「中央構造線」の端部で発生し、その活断層に沿って阿蘇、大分へと地震が飛び火する前例のない態様を示し、気象庁をして「前例がない。今後どうなるかわからない。」と言わしめました。
9月上旬にも阿蘇地方地下20kmで地震が発生していて懸念を持っていましたが、今回の噴火でいやな予感がふくらんできます。
熊本地震の後に数冊の火山関係の本を読んでみました。
最近日本では噴火が多いですが、それらはすべて「通常噴火」といえるようです。通常噴火というのはここだけの便宜上の表現ですが、火山がある一か所または近い数か所が爆発して噴煙、水蒸気、マグマを吹き出す現象で日本人ならテレビで見慣れている現象です。この通常噴火を起こす可能性のある代表的な山は富士山です。富士山が噴火するとちょうど風下になる東京方面には甚大な影響がでるとして注意が呼びかけられてます。
この通常噴火に対して、カルデラ噴火または破局噴火という全く違う形態の噴火が存在しますが、これはまだ有史以後の人類が経験したことのない噴火でして、カルデラ外輪山の内側全体が吹き飛んでしまう超大規模なもので、代表的には日本では阿蘇カルデラ、加久藤カルデラ、姶良(あいら)カルデラ、十和田カルデラあげられます。
これらの日本のカルデラ噴火の規模は富士山の1000倍くらいの規模になるようです。噴火口の大きさからも当然といえるでしょう。富士山頂上の火口は直径1kmくらいだと思いますが、阿蘇外輪山は南北25km、東西18kmですから。
特に九州地方のカルデラ火山が破局噴火を起こすと、九州に限らず偏西風の影響で日本は国レベルで「破局」してしまうそうです。阿蘇山は過去30万年間に4回の破局的噴火を起こしているそうですし、日本全体では7000~1万年に一度どこかで破局的噴火が発生して、有史以前ですが極めて大規模な被害が発生しているそうです。
最後の破局噴火は7300年前の鬼界カルデラの噴火で西日本の縄文文明が滅んだし(西日本に縄文遺跡があまりない理由)、9万年前の阿蘇カルデラの噴火(Aso4)では日本全土が壊滅的被害を受けたということです。現在の北海道東部でもこの噴火による火山灰が10cm以上つもっているそうです。
これらの九州地方に多いカルデラによる破局的噴火は日本では今後100年にこのような破局噴火が起こる可能性は1%ということですが、これは決して無視できる数字ではなく、むしろかなり大きい数字ですし、今後千年、一万年の間にはほぼ確実に発生するのでしょう。
(米国のイエローストーン国立公園はさらに桁違いで北半球が全滅してしまうそうで、しかも噴火の兆候があって米国は秘密裡にオーストラリア、メキシコへの移住避難計画を作っているとか。)
特に阿蘇では9万年間、カルデラ破局噴火が止まっており、いつ再発してもおかしくない状況です。そして4月から熊本、阿蘇でたびたび地震が発生しており、懸念が深まります。そして、今回のやや規模の大きい噴火です。
カルデラ噴火は突然に発生するのではなく、先行して通常噴火が起きてマグマなどがある程度地上に噴出されて地下空間が形成されてから、その空間が陥没することでカルデラ噴火に移行するそうです。
ですから今朝の噴火がカルデラ破局噴火の予兆となる可能性はあるといえます。杞憂とはいえません。
「杞憂」は天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという故事で実際にはあり得ないことですが、地が割れて火が噴き出すということは実際にあり得るのです。
将来発生しうる東南海地震や、富士山、阿蘇山の通常噴火を想定した対策はだいぶ進んできているようですが、有史後の人類が未経験のカルデラ噴火に対してはほとんど議論にもなっていない状況です。
阿蘇が9万年前の大規模な破局的カルデラ噴火を起こすと日本は全滅してしまいますが、もう少し小規模であれば、十分な事前対策をしておけば被害は相当に低減させることができると思います。
そのためにも、阿蘇山の観測体制の強化と、人員整備と、避難計画の作成が急務であると考えます。火山対策予算は非常に少ないと聞きますが、地震と同じかあるいはそれ以上に危険な火山に対しての対処が必要です。
民族・文明は地震では滅びないが、カルデラ噴火で滅びた例は多いのだそうです。
国、行政は当面あてにならないと思いますので、当ブログの読者の皆さまだけでも自衛的対策をたてておいてください。
具体的には地震への備えのほかに粉塵対策として防塵マスク、ゴーグル、空気清浄機を準備しましょう。あと、使えるかどうかわからないけど現金。
「死都日本」というシミュレーション的SF小説でカルデラ噴火による破局的被害がリアルに描かれていますので、興味があれば読んでみてください。
有史(文字記録文明)以後の人類はカルデラ噴火を経験していませんが、文字記録のない時代には何度か人類も経験をしているはずでして、それは口伝えの伝説として残っている可能性はあります。
「死都日本」では、アマテラスの岩戸隠れ伝説はカルデラ噴火による火山灰浮遊によって長期間日光が遮られたことを伝承し子孫の我々に注意喚起しているのではないか、と述べてます。そうなのかもしれません。
阿蘇カルデラのほぼ中央には肥後国一之宮の阿蘇神社がありますが、この阿蘇神社にはナマズに関連した伝説が伝わっているそうです。ナマズといえば地震。阿蘇カルデラに関して地震には注意しろという先人の教えなのではないでしょうか。
我が家ではモルモットを飼っています。元気いっぱい、食欲いっぱいの愛くるしい子ですが、今朝はなにかにおびえたように動かず好物のレタスにも見向きもしません。ゆうべまでは元気だったのにこんなことは初めてです。なにかの災害の前兆でなければいいのですが。
今朝、阿蘇山が噴火しました。
4月14日の熊本地震直後に噴煙300mの小規模噴火を起こしていましたが、それ以来の噴火で今回の噴煙1万m規模は非常に珍しいということです。
熊本地震は日本を東西に走る大活断層の「中央構造線」の端部で発生し、その活断層に沿って阿蘇、大分へと地震が飛び火する前例のない態様を示し、気象庁をして「前例がない。今後どうなるかわからない。」と言わしめました。
9月上旬にも阿蘇地方地下20kmで地震が発生していて懸念を持っていましたが、今回の噴火でいやな予感がふくらんできます。
熊本地震の後に数冊の火山関係の本を読んでみました。
最近日本では噴火が多いですが、それらはすべて「通常噴火」といえるようです。通常噴火というのはここだけの便宜上の表現ですが、火山がある一か所または近い数か所が爆発して噴煙、水蒸気、マグマを吹き出す現象で日本人ならテレビで見慣れている現象です。この通常噴火を起こす可能性のある代表的な山は富士山です。富士山が噴火するとちょうど風下になる東京方面には甚大な影響がでるとして注意が呼びかけられてます。
この通常噴火に対して、カルデラ噴火または破局噴火という全く違う形態の噴火が存在しますが、これはまだ有史以後の人類が経験したことのない噴火でして、カルデラ外輪山の内側全体が吹き飛んでしまう超大規模なもので、代表的には日本では阿蘇カルデラ、加久藤カルデラ、姶良(あいら)カルデラ、十和田カルデラあげられます。
これらの日本のカルデラ噴火の規模は富士山の1000倍くらいの規模になるようです。噴火口の大きさからも当然といえるでしょう。富士山頂上の火口は直径1kmくらいだと思いますが、阿蘇外輪山は南北25km、東西18kmですから。
特に九州地方のカルデラ火山が破局噴火を起こすと、九州に限らず偏西風の影響で日本は国レベルで「破局」してしまうそうです。阿蘇山は過去30万年間に4回の破局的噴火を起こしているそうですし、日本全体では7000~1万年に一度どこかで破局的噴火が発生して、有史以前ですが極めて大規模な被害が発生しているそうです。
最後の破局噴火は7300年前の鬼界カルデラの噴火で西日本の縄文文明が滅んだし(西日本に縄文遺跡があまりない理由)、9万年前の阿蘇カルデラの噴火(Aso4)では日本全土が壊滅的被害を受けたということです。現在の北海道東部でもこの噴火による火山灰が10cm以上つもっているそうです。
これらの九州地方に多いカルデラによる破局的噴火は日本では今後100年にこのような破局噴火が起こる可能性は1%ということですが、これは決して無視できる数字ではなく、むしろかなり大きい数字ですし、今後千年、一万年の間にはほぼ確実に発生するのでしょう。
(米国のイエローストーン国立公園はさらに桁違いで北半球が全滅してしまうそうで、しかも噴火の兆候があって米国は秘密裡にオーストラリア、メキシコへの移住避難計画を作っているとか。)
特に阿蘇では9万年間、カルデラ破局噴火が止まっており、いつ再発してもおかしくない状況です。そして4月から熊本、阿蘇でたびたび地震が発生しており、懸念が深まります。そして、今回のやや規模の大きい噴火です。
カルデラ噴火は突然に発生するのではなく、先行して通常噴火が起きてマグマなどがある程度地上に噴出されて地下空間が形成されてから、その空間が陥没することでカルデラ噴火に移行するそうです。
ですから今朝の噴火がカルデラ破局噴火の予兆となる可能性はあるといえます。杞憂とはいえません。
「杞憂」は天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという故事で実際にはあり得ないことですが、地が割れて火が噴き出すということは実際にあり得るのです。
将来発生しうる東南海地震や、富士山、阿蘇山の通常噴火を想定した対策はだいぶ進んできているようですが、有史後の人類が未経験のカルデラ噴火に対してはほとんど議論にもなっていない状況です。
阿蘇が9万年前の大規模な破局的カルデラ噴火を起こすと日本は全滅してしまいますが、もう少し小規模であれば、十分な事前対策をしておけば被害は相当に低減させることができると思います。
そのためにも、阿蘇山の観測体制の強化と、人員整備と、避難計画の作成が急務であると考えます。火山対策予算は非常に少ないと聞きますが、地震と同じかあるいはそれ以上に危険な火山に対しての対処が必要です。
民族・文明は地震では滅びないが、カルデラ噴火で滅びた例は多いのだそうです。
国、行政は当面あてにならないと思いますので、当ブログの読者の皆さまだけでも自衛的対策をたてておいてください。
具体的には地震への備えのほかに粉塵対策として防塵マスク、ゴーグル、空気清浄機を準備しましょう。あと、使えるかどうかわからないけど現金。
「死都日本」というシミュレーション的SF小説でカルデラ噴火による破局的被害がリアルに描かれていますので、興味があれば読んでみてください。
有史(文字記録文明)以後の人類はカルデラ噴火を経験していませんが、文字記録のない時代には何度か人類も経験をしているはずでして、それは口伝えの伝説として残っている可能性はあります。
「死都日本」では、アマテラスの岩戸隠れ伝説はカルデラ噴火による火山灰浮遊によって長期間日光が遮られたことを伝承し子孫の我々に注意喚起しているのではないか、と述べてます。そうなのかもしれません。
阿蘇カルデラのほぼ中央には肥後国一之宮の阿蘇神社がありますが、この阿蘇神社にはナマズに関連した伝説が伝わっているそうです。ナマズといえば地震。阿蘇カルデラに関して地震には注意しろという先人の教えなのではないでしょうか。
我が家ではモルモットを飼っています。元気いっぱい、食欲いっぱいの愛くるしい子ですが、今朝はなにかにおびえたように動かず好物のレタスにも見向きもしません。ゆうべまでは元気だったのにこんなことは初めてです。なにかの災害の前兆でなければいいのですが。


